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セント・マーティンズでは「リサーチ」「スケッチブック」の重要性が強調されると書きましたが、卒業生の学生時代のスケッチブックを実際に覗かせてもらいました。「ファッション科の卒業制作でも最終作品とともに、必ずスケッチブックークリエイティブプロセスがわかるものーを展示するのですが、展示会中にスケッチブックが盗まれることなんてザラで、昔はチェーンやロックをつけていたぐらいです。それでも、盗まれる、ということもありました」とファッションイラストレーターは語ります。

まず教授は次のようなステップを全体像として学生に示します。

1 ソーシング : 服の素材ということではなく発想のもとになる材料、写真、絵、モノ etc.
2 リサーチ: ソースから発想して自分なりの解釈、手を加えたもの、コラージュ、ペインティング、ドローイング etc.
3 ディベロップメント:リサーチを発展させる作業。この段階から形について考え始める。生地の質感などもこの段階から。
4 エンドリザルト: 実現可能なものに落とし込む作業。編集段階。

卒業生の彼女は、「セントマーティンズでは2のリサーチ段階に最も時間をかけます。2なくして、3が発展する筈がないと考えます。よって、作品の審査でも2の集大成であるスケッチブックが重視されます。あまりアイディアの無い学生というのは、最初に成果物を作って、それから後づけでスケッチブックの中身を作ったりします。こじつけですね」と説明。このようなタイプの学生がいまだにいるのは、「ファッション=洋服を縫う事と考える人がいまだに多いからだと思います。勿論、最終的な成果物は服には違いないですが、はじめから、『では、スカートを作りましょう』と言って白い紙を前に適当に描くことがファッションデザインではありません」と話し、実際、卒業制作にあたりプロのパタンナーやシームストレス(縫子)を雇う学生も多数いるようです。


上の写真は、彼女が蚤の市でみつけた昔の写真です。この写真が発想のスタート地点になり、「ニューヨーク。まだ街が動き出す前。小雨がやんで、もうすぐ太陽が顔をだそうとしている。ウィンドーの前を通り過ぎる女性。クラシック、ジオメトリック、ビルの窓のグリッドに赤いポピーが反射する・・・」という映像が彼女のなかに浮かんできます。

この映像から上のようなスケッチを彼女は描きます。大都会の風景にメカニズムのイメージが組み込まれていきます。これが「リサーチ」の開始です。

リサーチ2になると、ビルがエッフェル塔に置き換わり赤いラッピングがかけられたりなど、複数のイメージが発展していきます。

これがリサーチ3になります。この段階になると、コンセプトの要素がかなり明確になってきます。

ステップ4では、3の要素の融合や色の検討がされていきます。

このあたりにくると、ファッションとしてのコンセプトがみえてきます(とぼくには思えます)。

リサーチ6で、「ははあ。なるほど!」と膝を打ってもよさそうです。ファッションデザイナーが、どういうトレーニングを自ら課しているのかが、これらのプロセスでお分かりいただけたと思います。言葉の論理と言葉にならないイメージのジャンプの両方が、コンセプトを作り上げます。そして、彼女が言う、他人のデザインをみて「誰の何の影響を受けたかを想像できる」という根拠が理解できるでしょう。ここにこそ、デザイナー同士の競い合いがあり、ゆえにスケッチブックが盗難を受ける理由があります。

「セント・マーティンズ大学について語ろう」のエントリーはいったん今回で終わりますが、別のアングルから、このファッションイラストレーターのインタビューを続けたいと考えています。なお、このシリーズで掲載したイラストはすべて、彼女の作品です。

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» セント・マーティンズ大学について語ろう(4) [さまざまなデザイン]

inspiring-illustration:

Omar Galliani

(inspiring-illustration-deactivaから)

luzfosca:

Carlos Moreira
Escadaria da Rua Cardeal Arcoverde, São Paulo, Brasil, 1972

luzfosca:

Carlos Moreira

Escadaria da Rua Cardeal Arcoverde, São Paulo, Brasil, 1972

colorfuleyeballadventure:

Book sculptures by Brian Dettmer

(から)

theartattacks:

The inspiring paintings of Eric Fortune.

(theartattacksから)

devidsketchbook:

Artist Laura Gurton - Unknown Species Series

Arigato from japan.  March 11

Arigato from japan.  March 11

kateoplis:

Oliver DiCicco & Barry UnderwoodEarth Engines